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私はASDに苛まれる中で一番の悩みは社会性を持つことが苦手だったというものがありました。
(関連記事:筆者が抱えるASDとはそもそも何? リアルな苦悩とは?)
外見のコンプレックスが重なってコミュニティに入ることに苦手意識をもっていました。
なので自分一人での時間を大切にし追求していました。
それはそれでよかったのですが皮肉なことに社会性がなくても良い自分になりかけていたのです。
ですが自分の持つ特性に対して相談する場所、共有しあうコミュニティはとても大切です。
ということで今回は大人の発達障害関連に絞りコミュニティに入っていくことの大切さや概要について話していきたいと思います。
当事者会への参加
コミュニティにもいろいろあります。
その代表的なものに当事者会というのがあります。
「当事者会」は色んな呼ばれ方があり「患者会」や「自助グループ」などさまざまです。
自助グループ(じじょグループ、Self Help Group)とは、なんらかの障害・困難や問題、悩みを抱えた人が同様な問題を抱えている個人や家族と共に当事者同士の自発的なつながりで結びついた集団。 その問題の専門家の手にグループの運営を委ねず、あくまで当事者たちが独立しているというのが特徴的である。 引用:Wikipedia
当事者会はアメリカで1930年代にアルコール依存症の人たちが、苦しんでいる人同士の間で生まれたのが始まりです。
発達障害関連、アルコール依存、親子関係の悩み、引きこもり、うつ病、強迫性障害、などの同じ障害や病気を持った人同士が、実際に会って交流したり勉強したりするための場所です。
当事者同士ですので対等な関係でのコミュニケーション、助け合い、尊重しあえるのが特徴です。
参加することにより、自分の悩みを聞いてもらえたり、同じ悩みを共有しあえる仲間や友達を作れることもあります。
そんな当事者会ですが内容は色々な種類のものがあります。
当事者会の種類
交流会
同じような悩みを持つ人などが交流し自分の体験談や困っていることなどを共有し孤独、つらい状況を少しでも軽減するような場所です。
学校や職場などで障害を公表していない、家族の理解がない、障害のことを話すことがなく孤独な人もいるでしょう。
交流会では普段誰にも打ち明けられない、発達障害などについての悩みを存分に話す機会ができます。
プレゼンテーション
自分の人生観や人生経験などを発信できるような場所です。
発達障害関連の障がいはコミュニケーションに難があり自分を出すことが苦手な人が多いです。
しかし苦手な部分を補うようにある特定のことに凄く集中力を発揮したりパフォーマンス力を持っている傾向もあります。
SNSなどで自分を発信をすることはできますがなかなか実際の大勢の人の前で発信する機会はないと思います。
そんな人たちが自己主張やパフォーマンスを発揮することができる場所です。
勉強会
自分自身の障がいの特性について理解を深めたり対応策を勉強するような場所です。
特性、個性だからで終わらせるのではなく、自分のできること、苦手なことなどをしっかりと把握し改善していく努力は必要です。
そしてそれを周りにしっかり説明できるようにしておくことは大切です。
自分は何が苦手で何が得意、どうゆう配慮が必要かを意思表示できることが重要だからです。
他にも精神障害を抱えていて就職活動をしているけど上手くいかない人
発達障害当事者、グレーゾーンで働きづらさがある人、インターンをしてみたいけど不安がある学生
などに向けて実際の経験者の話を聞く機会、必要な知識や心構えを身に付けるなどスキルアップするような場所もあります。
体験
体験型のコミュニティです。
実際に体を動かして経験するような場所です。
当事者ならではの良さ
当事者同士ならではの良さがあります。
個人情報保護
多くの当事者会では守秘義務がルールとなっていることが多いようです。
安心できる空間を作ることが優先順位が高いからです。
個人情報をしっかり守られることで相談することにも安心感があります。
否定しない、相手を尊重する
当事者はそれぞれ色々なバックグランドがあり傷ついてきた人もいれば、頑張ることが苦手な人もいます。
それを自分の考えをもとに指導したり、批判しないというルールがあります。
情報を共有できる
同じ障がい、病気で困っている人同士なので、お互いに共感し理解しあえることが多いでしょう。
お互いに積極的に役に立ちそうなことを共有しあい自分の生活に生かすことができます。
周りの支援してくれる人のアドバイスや相談もいいですが同じ特性をもっている人にしか分からないからこその情報も得ることができます。
他にも途中の入室・退室をOKにしている、無理にしゃべることもなく参加するだけでOKというようなスタンスをとってくれている当事者会もあります。
当事者会参加者の体験談
Aさん 30代 男性
自分の悩みを話して、そこに対する解決策を提案してもらえて良かったです。
共感できる話が多く、自分の生活にも役立てそうです。
やはり同じ特性を持った人の解決策は、まさに自分の困りごとにもマッチするものばかりで、とても参考になりました。
同じ特性を持った人のなかにも症状は様々でいろいろなバックグラウンドがあります。
当事者会の良いところは、その人の経験や知恵を自分のものにしていけることです。
Kさん 40代 女性
マイノリティーの私も一人じゃないと知れてよかったです。
当時者会ならではのメリットは、日常では会うことができない同じ特性を持った人たちに会える事です。
自分以外の同じ特性の人に会うのは初めてでした。
自分と同じような事で悩んでいる人がいること、同じ悩みに共感してもらえただけでもすごく安心しました。
同じ特性を持ち、困難がある当事者同士だからこそ、共感し合えることがあります。
自分以外の同じ特性を持つ人に会ってみたい、これは当事者交流会に参加した理由として一番多いと聞きました。
当事者会の概要
価格帯
無料~1000円程度
規模
人数10~50人規模
少ないところでは10人以下多いところでは100人規模のようです。
時間帯
それぞれのコミュニティによってさまざまです。
平日昼間の開催もあれば土日の開催もありました。
丸一日かかるものもあれば2,3時間のものもあります。
終わった後は懇親会などもあるようです。
開催場所
街の会議室や研修所、ビルなどで開催しています。
当事者会の調べ方
ASD、発達障害など自分の困りごと
+
「コミュニティ」「当事者会」「自助グループ」などのキーワード
+
参加したい地域
これをインターネットの検索窓で調べると出てくると思います。
またどの都道府県にも、たいてい発達障害支援センターという場所がありますのでホームページで調べるのもいいと思います。
当事者会で気を付けること
当事者会に参加するなかで、気を付けるべきなのは人間関係のトラブルです。
当事者会の中ではトラブルを防ぐためのルールもあります。
しかし当事者会の参加者には、繊細な人、相手の気持ちを考えて言動するのが苦手な人などそれぞれ課題を抱えている人がいるということを強く認識しておく必要があります。
大切なのはまず自分自身が無理をしないことと相手を思いやる心です。
当事者会の中で知り合い連絡交換をしても外でのトラブルは自己責任ということも重要です。
その他のコミュニティ
当事者が運営するカフェやバー
発達障害者関連の人が入りやすいような雰囲気を考慮されて運営されています。
少ないがために全国からの来客あるようです。
調べて感じたこと
知らないことのこわさ
今までこのようなコミュニティがあることは何となくは知っていましたがここまでたくさんあるということは初めて知りました。
参加してみたいと思うようなことがたくさんありました。
本当は自分にとってすごく有益なものがあるのに気づかないまま過ごしてしまうのはすごくもったいないことだと思いました。
もっと視野を広げていきたいと思いました。
決め付けてしまうこわさ
私は自分がASDだと診断を受けてから自分を型にはめてしまっていた部分がありました。
そこで好きなもの、苦手なものを区別しきってしまい視野を広げようとしていませんでした。
常に自分にとって有益な情報を集める意識は持っておくべきだと思いました。
慣れてしまうことのこわさ
自分の現状に慣れてしまうことのこわさを知りました。
私は障がいによって社会性が乏しいんだと決めつけていたので自分一人での過ごし方に慣れてしまい気が付いたら社会性を求めない自分になっていることに気が付いたのです。
現状に慣れてしまえば思考停止してしまい向上心がなくなってしまいます。
それを防ぐには新しいことにふれて刺激を受けることが大事だと思いました。
今回はコミュニティに入っていくことの大切さについて話しました。
今度は実際に入って行った感想も書いていければと思います。