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私はASDを抱えたうえでいろいろな生きづらさがありました。
(関連記事:筆者が抱えるASDとはそもそも何? リアルな苦悩とは?)
ASDをはじめ発達障害当事者にはそれをカミングアウトするのか否かという問題があります。
人生の中で避けては通れないものと言えるでしょう。
大きなターニングポイントにもなるかもしれません。
私も「カミングアウトしようかどうしようか」と迷っていた時期もありました。
そこで今回は自分の体質をカミングアウトするメリット、デメリット、注意点などについて話していきたいと思います。
少しでも解決策になれればと思います。
カミングアウトとは?
そもそもカミングアウトとは英語で「告白」という言葉ですが正式にはどうゆう意味なのでしょうか?
カミングアウト(英: coming out)とは、これまで公にしていなかった自らの出生や病状、性的指向等を表明すること。
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/カミングアウト
という意味だそうです。
カミングアウトという言葉を調べてみると同性愛者などのイメージが強いようで同性愛を有名人がカミングアウトしたことや当事者が友人などにカミングアウトすることなどに関する記事がたくさん出てきました。
LGBTでよく使われる言葉のようですが今回は広義的な意味でとらえASDをはじめ発達障害当事者におけるカミングアウトの重要性について話していきたいと思います。
カミングアウトするメリットとデメリット
私は早く診断名を伝えて理解してほしいという気持ちと相手を困らせる申し訳なさなど複雑な気持ちがありました。
カミングアウトのメリットとデメリットを見ていきましょう。
カミングアウトするメリット
関わる人を絞れる
偏見を持つ人、離れていく人、理解してくれる人などがふるいにかけられることになります。
カミングアウトすることで初対面でも相手に自分との距離感の判断をゆだねることができるのです。
心の負担が軽くなる
上記ともかぶりますがふるいにかけられた人だけが残ることになり理解してくれる仲間が残ることになります。
「ありのままの自分でいいんだ」と思うと心が楽になります。
カミングアウトするデメリット
孤立してしまう可能性がある
理解してくれると思った人でも自分で思い込んでいるだけかもしれません。
そして理解のない人などからは、空気のような扱いにされたり嫌われたりしてしまうこともあります。
敵を作ってしまう可能性もある
素を出しすぎることによって敵を作ってしまう可能性があります。
色々な考えの人がいる中で理解してくれない人も出てくるでしょう。
自分を理解してくれる人もいれば敵になる人もいます。
なのでいかに自分の仲間になってくれる人を作れるかが重要です。
最低限信頼してもらえる人間性は必要なのです。
ではカミングアウトをする場合どんな人にしていけばいいのでしょうか?
カミングアウトの相手を見極める
その人の病気、障がい、身分に偏見を持たない人
病気や障がいなどでレッテルをはる人はたくさん存在します。
そうゆう人は当然理解を示さないでしょうしカミングアウトの相手には向かないと言えます。
考え方、価値観の違いを理解できる人
俗にいう健常者とASDなどの発達障害を抱えている人には考え方や価値観の違いもあります。
例えば「普通」・「常識」というものの価値観がずれている場合もあるのです。
そこで価値観の違いを理解できない人にカミングアウトしても上手くいかないのは当然です。
そのような考え方、価値観の多様性を理解できる人、さらにはそのような意見にも耳を傾け尊重してくれる人を見極めることが大切です。
職場でのカミングアウト
大きな問題として職場でのカミングアウトをするかどうかという選択があります。
まずASD及び発達障害当事者は企業で働く際、二つの働き方を選ぶことになります。
二つの働き方
オープンにする働き方
自分の障がいを公表して働く。
クローズして働く
自分の障がいを公表せずに働く。
まずこの二択を選ぶことになるのです。
オープン就労のメリット
勤務形態や業務内容を配慮してもらえる。
障がい・病気について理解してもらえ通院などのタイミングを考慮してもらえる。
⇒安心して働けるうえ能力も発揮しやすい。
オープン就労のデメリット
求人の選択肢が狭い。
クローズ就労のメリット
賃金が障害者雇用の就労よりも高い傾向がある。
業種・職種など豊富で障害者雇用よりも求人が多い。
クローズ就労のデメリット
勤務形態や業務内容を配慮してもらいにくい。
障がい・病気について理解してもらえず通院などのタイミングも考慮してもらえない。
発覚してトラブルになるのではという不安が付きまとう。
⇒不安を抱えたままの就労のうえ能力を発揮しにくい。
というメリット・デメリットがあります。
カミングアウトしない選択
私は症状が軽度だったので一般雇用で働いていました。
今まで会社を5つほど経験してきましたがどこの会社でも自分がASDであるということはカミングアウトしてきませんでした。
周りの理解もあったおかげで乗り切ることができていたのです。
なので私はカミングアウトしたことはありません。
しかし症状が軽度とは言えども苦労することはたくさんありました。
そんなときカミングアウトしようかと悩んでいたときもありました。
グレーゾーンといわれる人たちが正式に発達障害などの診断を受けたためにカミングアウトするか否かの選択を迫られるケースもあります。
カミングアウトのこわさ
ネットで調べるとアンケートで「職場に発達障害のカミングアウトをしているかという質問に対しカミングアウトをした」と答えたのが3割だったという記事を見つけました。
そしてカミングアウトしていない一番の理由として「理解されるかわからないから」というデータがありました。
実際にカミングアウトしたことによってクビになったなどというトラブルもあるようです。
慎重に考えるべきだと私は思います。
カミングアウトのまとめ
カミングアウトのメリット、デメリットそれぞれあること。
カミングアウトは相手を見極めることが重要であること。
とうの私は友人や恋人、職場に対しカミングアウトはしてきませんでした。
周りの理解もあって乗り切ることができていたからです。
ASDを抱えながらも無理をしているようなところがありました。
なのでこれからはASDを公表してやっていきたいと思います。