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仕事を辞めて独立したい、ブラック企業から抜け出したい・・・そんな人もいるかもしれません。
「仕事を辞めたいけど会社に言い出せず退職できない」、「退職の意思を伝えてもどうせやめさせてもらえないんじゃないか」など色々な不安がある。
円満退職が理想なのでしょうがなかなかそう上手くいかないこともあります。
「退職代行サービス」というものをご存知でしょうか?
以前からもあったようですが最近テレビで特集されるなど注目され始め、「出社することなく退職できた」、「有休消化、残業代も回収できた」などと話題になっています。
今まで5つの会社を渡り歩いてきたのですがASDを抱えていたこともありとてもつらい思いをしてきました。
それもあって私も退職を言い出せないつらさを味わったことがあります。
(関連記事:筆者が抱えるASDとはそもそも何? リアルな苦悩とは?)
退職は新しい人生への大きな決断でもあります。
ということで今回は退職代行サービスについて話していきたいと思います。
退職を言い出せない
どんな人でも退職を切り出すのはある程度抵抗があると思います。
なかでも自分の意見を押し通すのが苦手な人、頼まれたら断れない人がいます。
退職の話となると特に緊張して話し出せない人もいると思います。
他に引き止められたらどうしようと考えてしまったりとか。
「いつ辞めようか、伝えるか」、と考えて眠れないこともあるでしょう。
辞めると伝えることによって周囲と気まずくなるのも気になります。
どうせやめるのならと割り切って伝えられればいいですがそのように考えきれない気が小さい人がいます。
私も性格やASDを抱えていたことによって退職を切り出すのに何日かかかったことがあります。
辞めてもいい
日本では会社を「辞めるのはいけないこと」「辞めることはできないもの」という風潮が強いようです。
お世話になった会社には申し訳ない気持ちはあっても退職することは後ろめたいことではありません。
自分の人生であって自分らしく生きる権利があるのです。
社員の言うことは聞かず奴隷のように扱い、限界まで働かせようとする会社は辞めてもいいのです。
「自分の代わりはいくらでもいる」とはよく言われることです。
例えばあなたが辞めると人手が足りず困ると上司に言われる場合。
それはあなたではなく人員を確保できなかった経営側の責任となるようです。
退職代行サービスとは
そもそも退職代行サービスはその名の通り希望者の代わりに退職のやりとりを依頼者の代わりにしてもらえるサービスです。
退職代行サービス業者に会社との退社に伴う手続きなどを代理でやってもらうことにより、上司や同僚と気まずいやり取りをする必要がなくなります。
退職代行サービスのメリット
即日での退社が可能
午前中に代行サービスに連絡し、その日の夕方には退社が完了できるということもあるようです。
支払いが完了すればすぐに意思を伝えてくれるので意外なほど簡単に退職が終わったという感想も。
職場に出向く必要がない
退職代行のサービスは、依頼者が職場に行かなくても退社できるというのも大きなメリットです。
どうせやめるのなら割り切れそうですがやはり気まずさがあって行きたくない人も多いと思います。
トンズラや夜逃げよりはマシだぐらいに思ったほうがいいかもしれません。
条件をしっかりと伝えてくれる
一方的に退職していくなかでさらに残業代や有給消化までを要求するのは、気が引けてしまうという人も多いのではないでしょうか。
しかしこれは労働者側の立派な権利です。
退社代行サービス業者に退職にあたっての条件を依頼者に代わって伝えてもらうことも可能です。
退職代行サービスのデメリット
費用がかかる
退職代行サービスを利用すれば当然費用がかかります。
業者、サービス内容によってさまざまですが一般的な相場は3~10万円ぐらいです。
退職にお金を払うことに対する考えは人それぞれですが色々なことを考慮すれば私は安いと思います。。
法的処置に対する対応が少ない
退職代行サービス業者は、法律の専門家ではないということを認識しておく必要があります。
会社から損害賠償請求をされることも無きにしも非ず。
しかし退職代行サービスでは法的処置に対しては十分なアドバイスをしてもらえない場合があります。
弁護士と連携している業者や、弁護士事務所の退職代行サービスを選ぶのもありです。
退職代行サービスの業務内容
・退職手続きなどの会社とのやりとり
・残業代・有給消化など条件の交渉
・離職票など必要書類の受け取り
自分でしなければいけないこと
・離職票の記入
・会社からの支給品の返却(郵送でもよい場合あり)
・会社が残業代・有給消化などの条件がすれ違ったときの交渉
退職代行サービスを受ける前に
退職代行サービスを利用すると決めたあと準備しておくべきことがあります。
・退職届の作成
・会社の情報の確認(勤めている会社の電話番号など)
・支給品・貸与品をまとめておく
これらを準備しておくとスムーズに退職代行サービスに任せることができます。
退職代行サービス利用の流れ
①無料相談
メールやLINE等でもできます。
②希望を伝える
退職の旨を会社に伝えてもらう、有給消化したい、離職票や会社にある自分のものを郵送してほしいなど。
⓷正式な申し込み
料金を支払い、退職代行サービスからの支払い確認
④退職代行サービス実施
そのまま会社とは決別、即日退社も可能!!
退職代行サービスの気になる点
退職代行サービスのあとに会社から連絡来ないのか?
依頼者(親にも)には連絡をしないように伝えてもらえます。強制できるわけではないので、100%ないとは言い切れないですがほとんどないそうです。
離職票など必要書類は本当にもらえるのか?
雇用保険被保険者証などの必要書類は、会社から本人宛に送るように伝えてもらえます。まれに従わない会社もあるようですが、退職代行サービス業者もその点はちゃんと分かっています。最悪ハローワークでもらうことができますし、会社も損するだけなので普通にもらえるケースがほとんどだそうです。
損害賠償を請求など法的処置は大丈夫なのか?
損害賠償を求めるような法的処置は手続きが面倒なうえ莫大な費用がかかるので、会社側が法的処置をしてくることはほとんどないようです。むしろ不当な残業分の金額を請求できることもあります。
会社から貸与されている保険証や備品の返却方法は?
基本的に会社から貸与されている備品などは郵送でやりとりするようです。会社に残してきた私物なども同じです。あらかじめ”今日で最後の出勤”と決めた日までに持ち帰る、全部置いて帰るのもいいですね。
退職代行サービスは弁護士法違反の非弁行為には該当しません。
信頼できる退職代行サービス業者は顧問弁護士から指導を受け業務範囲の適正化に努めているからです。
理由として退職代行サービスは、依頼者の代理で会社へ退職の連絡をすることが仕事です。
あくまで仲介に入り連絡するだけ、いってしまえば「連絡代行」という形なのです。
退職代行サービス業者を3つあげてみました。
代表的な退職代行サービス
業者名 | 料金 | 返金 |
SARABA | 30,000円‐ | あり |
辞めるんです | 30,000円‐ | あり |
退職代行コンシェルジュ | 30,000円‐(年末まで) | なし |
退職代行サービスに頼むか?弁護士に頼むか?
退職代行には「退職代行サービス業者」の行うサービスと弁護士が行う「退職代行業」の二択があります。
それぞれのメリット、デメリットを見ていきましょう。
退職代行サービス会社のメリット
料金が安い
弁護士と比べると会社員の行う退職代行サービスは価格が安くなります。
退職代行のプロ
退職代行が専門ですからビジネスとしてしっかり対応してくれます。
退職代行サービス会社のデメリット
法的処置を会社が行った場合の対応
退職代行サービスの業務は退職に伴う手続きなどを代わりにやってくれることだけです。
会社が訴訟を起こしてきた場合などは弁護士のサービスの方が強いでしょう。
弁護士代行のメリット
会社が法的対応を起こした場合の対応
会社が訴訟などの意思を見せてきても百戦錬磨の弁護士がしっかり対応してくれるでしょう。
退職代行以外の力も貸してもらえる可能性
退職代行サービス以外にも有休消化や残業代などの条件の交渉などに力を貸してもらえることもあります。
別途料金だと思いますが心強いでしょう。
弁護士代行のデメリット
弁護士報酬等、料金が高い可能性
弁護士に依頼すると最低でも15万円程度のようです。(退職代行サービス業者は3~5万程度)
そもそも退職代行をしている弁護士が少ない
退職代行を行っている弁護士自体が多くないですし遠方だった場合の人の案件を扱うかどうかも疑問です。
弁護士の退社代行を利用するのは…
・不当労働分の残業代の請求をしてほしい
・退職日まで有給消化したい
・保険などの書類手続きをしてほしい
というような希望がある人たちです。
退職代行サービスの口コミ
メールのみの連絡で気軽!!
パワハラで精神的にきつくなり、これ以上仕事を続けられないと思っていました。
しかし退職に使うエネルギーも膨大で動けずにいました。
退職代行サービスに相談すると、自分と似たような境遇の人が多いのかメール連絡のみでやり取りをしていただけました。
前の職場と全く話すことなく退職の手続きすべてが完了しました。
療養をしっかりとって、次はまともな会社に入りたいと思いました。
退職代行サービスで退職して良かった
この価格で本当に退職できるのかと最初は不安でしたが一切職場から連絡が来ることなく退職できました。
前の会社は自分のことなど駒の一つとして扱っていただけだったんだと改めて感じました。
もうあんな職場と関わることがないのですっきりしました!!
この退職代行サービスを利用して本当に良かったです。
退職代行サービスはどんな人が使うのか?
退職に費用をかけるのは勿体ないと思う人もいるでしょうが仕事を続けること、退職のやりとりによって精神的、肉体的、経済的負担ストレスがかかることを考える人は退職代行サービスに任せるのもありです。
退職したいという意思を伝えるのが苦手、辞めさせてもらえないという人は退職代行サービスを利用する価値は十分あると思います。
親や家族にバレずに退職したい人も利用しているようです。
退職という労働者の権利を行使させない会社は、許されませんがそんな会社がまだまだ存在しているようです。
そんな悪質な会社には自分よりも退職代行サービスに取り合ってもらったほうが良いと言えます。
自己責任で選択を
近年は求人難などによって人が集まらないようで退職の申請があるたびに引き留められることも多いようです。
次の会社が決まっていたのに退職できないことや、会社側が上手くはぐらかして結局退職届を受理してもらえないケースもあるようです。
そのようなニーズに対応するのが退職代行サービスです。
しかし退職代行サービスは逃亡するような退職を後押しするかたちになってしまい、結果唐突な退職によって引継ぎができないなどの問題があるようです。
いくら終身雇用の風潮がなくなり転職が当たり前になった時代でも「引き継ぎレス退職」などは転職になれていない会社にとっては大きな問題です。
その会社に悪影響を及ぼし、さらに退職希望者を増やすなどの悪循環で退職代行サービスのニーズを生み出しているという現象が起こっているようです。
ですが過労による精神疾患を防げることや退職希望者の”命”を救っているという一面もあるのです。
調べたところによると行政機関や日本弁護士連合会が依頼者から報酬を受け取ったうえで会社と退職交渉を行う行為は弁護士以外にできないと主張して、規制を検討されているという情報もあるようです。
退職代行サービスを選ぶのは自分の考えとしっかり向き合う必要があります。
退職代行サービスのまとめ
ラインで気軽に無料相談ができるのでそこで利用するかどうかの判断するのもいいと思いました。
肉体、精神的なダメージ、その後の人生を考えれば安いと考えられそうです。
やはり会社に行き直接伝えるのが一番でどうしても無理な場合の最終手段として使うのがイイと思っています。
ASD当事者の私としてはこのサービスは本当にありがたいし、魅力的だと思いました。
というわけで今回は退職代行サービスを紹介しました。